優しくあれればいいとあなたはいつも願うから…私はそんなあなたを愛したいと想ったのです。



人の心は移ろって、一所には留まってくれないけれど…それでも今あるこの心に嘘なんてないから。ないから。




だからね、
この両腕を広げて何度だって迎えるよ



そうしてあなたに魔法のことばをあげるから。



















歩いていた。歩いていた。果てしない青い空の下を歩いていた。萌える草原を若草の海を歩いていた。


今日はとても良い天気だ。洗濯日和だっていうのかな…。

あの人は何をしているだろう。
あの人は人前ではどうしたって気が抜けない人だから…少しはゆっくり過ごせているといい。


ああでも本当に綺麗な景色だなぁ。いつかあの人と一緒に来たいけど…。せめてこの景色だけでも見せてあげられたらいいのに。




(ここはとても美しい場所でした)






























歩いていた。歩いていた。どこまでも広がる雪原を歩いていた。張り詰めた空気を白銀の世界を歩いていた。


ここはとても寒いけれど、一面に広がる痛いほどの白は凄く綺麗で。

そういえばあの人も体温は低かった。手を繋いだり頬に触られたりする度にあの人の体温を感じて…あのひんやりとしつつも温かな温度が恋しい。

帰ったら抱き締めてもらいたいなぁ。




(ここはあなたを思い出す場所でした)































歩いていた。歩いていた。朝露に濡れる花畑を歩いていた。光を孵す花の中を息を潜める生命の道を歩いていた。


まだしっかりと陽が昇りきっていない朝…稜線から射す光が花畑を覆い包んでいる。
綻ぶ花弁は可憐に淡く色付き、まるで誰かを想うようで。

前にあの人に贈られた花は黄色と薄桃をしていた。それを引き立てるように敷かれた緑の葉に、俺はあの人を連想して。


今度は俺が、あの人に花を贈りたい。




(ここは思い出がみえる場所でした)


































そうやってずっとずっと歩き続けてきた足がようやく止まる。じっと目の前の風景を眺めていたら、後ろから急に抱き締められた。

馴染みのあるその温度に目を見開いた瞬間、そうっと耳元で囁かれた魔法の言葉。





「おかえりなさい、アリババくん」





ふわりと自分を包むあたたかな空気にふと泣きたくなった。それでも口角を上げて目元を緩め、彼の優しい魔法に溺れるように。


(ねえ、ずっと言いたかったの)




「…ただいま、ジャーファルさん」








何度だって帰ってくる。
何度だって迎えられる。




ここにはあなたがいるから、私は何度だって旅立てるわ。











home
(おかえり、おかえり、)
(ここがきみのかえるばしょ)







***



お誕生日おめでとうございますみなちゃん!

7月14日はみなちゃんことみなとさんのお誕生日です。本当におめでとうございます!


みなちゃんの本命であるジャファアリをもっさり書いてみたんですが…すみません…実に訳が分からないですヽ(^。^)丿

あああ愛だけは多分に詰めました!苦情などはいつでも受け付けていますのでいつでもどうぞ!(土下座)


それでは本当にお誕生日おめでとうございます!大好きです!